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相続した農地で納税猶予を受けるには?手続きや注意点についても解説

不動産の知識

小林 弘幸

筆者 小林 弘幸

不動産キャリア20年

相続した農地で納税猶予を受けるには?手続きや注意点についても解説

親から受け継いだ農地を前に、高額な税金の支払いや将来の管理について、悩みを抱えている方は少なくありません。
先祖代々の土地を守りたいという尊い想いと、現実的な税負担や営農の厳しさとの間で、どちらを選択すべきか決断できずにいるのが実情でしょう。
本記事では、農地の納税猶予の概要と、手続きや注意点も解説します。

農地の納税猶予制度とは

農地の納税猶予制度とは、農業の後継者が農地を受け継ぐ際、一定の要件を満たすことで、贈与税や相続税の支払いを猶予する特例措置のことです。
通常、市街地周辺の農地は宅地並みに高く評価されますが、この制度を適用すれば「農業投資価格」を超える部分の税額が猶予され、負担を抑えることが可能です。
対象となるのは、被相続人が亡くなるまで農業を営んでいた農地を取得し、相続人がその後も自ら農業経営を継続する場合に限られます。
猶予された税金は、原則として相続人が死亡するまで農業を続けた場合や、次世代の後継者に農地を生前一括贈与した場合に免除される仕組みとなっています。

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納税猶予を受けるための手続き

この特例を受けるためには、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に、管轄の税務署へ相続税の申告手続きをおこなうことが求められます。
申告の際は、農業委員会が発行する「相続税の納税猶予に関する適格者証明書」や、猶予税額と利子税に見合う担保提供書類など、専門的な書類の準備が不可欠です。
制度の適用後も手続きは完了せず、申告期限から3年ごとに「継続届出書」を税務署へ提出し、農業経営が継続されている事実を定期的に報告する義務があります。
さらに、2024年4月からは相続登記が義務化されており、納税猶予の手続きとは別に、法務局での名義変更を怠ると過料が科される可能性があるため注意しましょう。
期限ギリギリになって慌てることがないよう、早段階から税理士等の専門家と連携し、計画的に準備を進めることが重要です。

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制度を利用する際の注意点

注意すべき点として、猶予期間中に農業をやめたり農地を売却したりすると、猶予された本税にくわえて「利子税」を一括納付しなければならないことです。
農地を駐車場やアパート用地に転用する場合や、耕作放棄地として放置してしまった場合も猶予打ち切りの対象となり、利子税だけで莫大な金額になりかねません。
ただし、病気や高齢で耕作が困難になった場合には、「特定貸付」制度を利用して農地中間管理機構などに貸し付けることで、猶予を継続できる救済措置もあります。
目先の節税効果だけにとらわれるのではなく、自身や家族のライフプラン、将来の営農ビジョンを見極めたうえで、制度の利用を判断することが求められます。

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まとめ

農地の納税猶予制度は、農業経営を継続する相続人を対象に、贈与税や相続税の負担を実質的に先送りできる特例措置です。
適用には、期限内の申告と担保提供にくわえ、3年ごとの継続届出や、義務化された法務局への相続登記手続きが不可欠となります。
途中で耕作をやめると、利子税を含めた納税義務が生じるため、特定貸付などの制度も視野に入れつつ、生涯にわたる営農意思を確認することが重要です。
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